Masaharu Nioh #02


※会話のみ

「?!」
「こ、こんばんは……?」
「……何で俺の部屋に居るんじゃ」
「行き違いってやつ?」
「さよか」
「こんな早い時間にお風呂入ってるとは思わなかった」
「俺もお前さんがこんな時間に来るなんて思っとらんかったぜよ」
「あら。連絡してたら入ってなかったってこと?」
「さて、それはどうかのう」
「何よそれ」
「今日は姉貴が居るけぇ、早よ入っておかな占領される」
「そういうことね。……あ、髪」
「ん?」
「髪おろしてるの久々に見た、かも」
「そうじゃったか?」
「だって学校じゃ、立ててる上にくくってるじゃない」
「おまけにお前さんがこんな時間に来るのも久々じゃからな」
「うん、まぁ。……髪、伸びたね」
「伸ばしとったからのう」
「むかつくぐらい無駄にさらさらなんだけど」
「無駄は余計じゃ」
「だって無駄じゃない。……でも綺麗に染まってるよね」
「地毛じゃ」
「嘘つき」
「……プリッ」
「伊達に18年も幼馴染やってないよ」
「それもそうじゃな」
「黒髪の雅治とか懐かしすぎて笑える」
「お前さんなぁ……」
「冗談だよ」
「……で?」
「で、と言いますと?」
「お前さんがこんな時間に来た理由を聞かせてもらおうかのう」
「い、いや……別に大した理由じゃないから、!」
「ほー……大した理由じゃないんか。ほんなら言うても平気じゃろ」
「あ、やっ……えーっと、」
「言えんのかのう?」
「……、ぅ……雅治の顔が見たくなったの。ただそれだけ!!」
「まったく……可愛いこと言ってくれよって」



とある日、とある時間に

髪をおろしたあなたと、

("おろしてるといつもの数倍色っぽい"、なんて死んでも言ってやらない)