『Halloween』※会話のみ

「雅治ー？出来たよー？」
「おー、これはこれは」
「なによ？」
「詐欺師も驚く詐欺っぷりナリ」
「アンタねぇ……」
「そんなに睨みなさんな。これでも褒めとるんじゃ」
「褒めてるようには到底聞こえないのだけれども」
「しかし、女ちゅーもんは怖いのう」
「……話変えやがった」
「髪型一つ、化粧一つでここまで化けるか」
「“化ける”とは失礼ね。雅治の頼み通りにしただけじゃない」
「ここまで変わるとは思うとらんかったぜよ」
「ちょっ、アンタがやれって言ったんじゃない！」
「……間近で見ると随分と塗っとるんじゃね」
「見なくていいっ！遠目から見てわかればいいんだって！」
「色っぽいのに勿体無か」
「……話が矛盾してるんですけど」
「普段からしとればええんに」
「嫌よ。時間かかるし、真田に怒られる」
「怒られたところであまり気にしとらんじゃろ、お前さん」
「あのねぇ……」
「ま、準備も整ったことじゃしそろそろ行くとするかのう」
「……もう幸村に怒られても知らないんだから」
「最上級のイリュージョンの始まりじゃ」
「詐欺(ペテン)の間違いじゃない？」
「まぁ、細かいことは気にしたらアカンぜよ」


『Trick or Treat ?』