Shikamaru×Ino #01


『ぎゅっ、と このまま』

何となく、ほんと何気なく、見ていたその後姿。
そうしたら急に、無性に、淋しくなって。

「……どうした?」
「ううん。何でもない」

ぎゅっとその背中に抱きついた。

「何かあるだろ」
「抱きつきたくなるアンタの背中がいけないのよ」
「はぁ?!」
「……もうちょっとこのまま、」
「はいはい」

そう言って溜息を零して「気の済むまで勝手にどーぞ」なんて言ってくれるから、お腹に回した腕に力を少し込めて、顔を埋めるみたいにぴたっとくっつける。しがみついた背中から伝わる鼓動と体温に子どもみたいに安心しちゃう自分が何だか笑えちゃう。

「……なに笑ってんだよ、いの」
「や、シカマルといると安心できるなぁーって」
「バーカ」